このページは国税庁・厚生労働省の公表資料の表を、入力した数字に当てはめて「どの行か」を示すだけのものです。個別のご質問にはお答えしていません(税理士法52条により、無償でも個別の税務相談には税理士資格が必要です)。住民税(自治体ごとに基準が違う)と、特定支出控除・所得金額調整控除など特別な事情は扱いません。判断の前に税務署の相談窓口・税理士・(社会保険は)ご加入の健康保険にご確認ください。

「103万円の壁」は2025年分(令和7年分)で一度動き、2026年分(令和8年分)でもう一度動きました。いまの位置はこうです。

  • 本人に所得税がかかり始めるのは、バイト代178万円から(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)。2025年分は160万円、2024年分までが103万円でした
  • 親の扶養に入っていられるのは136万円まで(合計所得62万円)。19歳以上23歳未満なら、そこを超えても197万円までは親側に特定親族特別控除が9段階で残ります
  • 勤労学生控除(27万円)が使えるのは163万円まで(合計所得89万円、かつバイト以外の儲けが10万円以下)
  • 社会保険の扶養は税とは別。19歳以上23歳未満は150万円未満、それ以外は130万円未満。自分で社会保険に入る「106万円」の線は、要件に「学生でないこと」があるので昼間の大学生には原則かかりません

2026年分の原典は国税庁の「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」PDFで、このページの表はすべてそのPDFのページ数付きで引いています。国税庁のタックスアンサーは2026年9月16日時点で「令和8年4月1日現在法令等」まで更新されましたが、No.1180 扶養控除の本文はいまも「58万円以下(給与のみなら123万円以下)」で、2026年分の62万円(給与136万円)は注記のほうに置かれています(検索結果が古い数字を出す理由はこの記事に書きました)。

税の「壁」(所得ベース)と社会保険の「壁」(収入見込みベース)は別の制度で、判定の基準も金額も違うので、両方を並べて出します。下の欄にバイト代と、バイト以外の儲けを入れてください。

「103万の壁」「123万の壁」「160万の壁」は2026年分でどこに行ったか

検索でよく打たれる「壁」の語を、2026年分(令和8年分)の位置に並べ直したものです。同じ「壁」でも、本人の税・親の税・社会保険の3系統が混ざっているので、どれの話かを列に分けました。

よく打たれる語 2026年分(令和8年分)での位置 誰の・何の線か
103万の壁 もう無い。2つに分かれた → 178万円(本人の所得税)と136万円(親の扶養) 103万円は基礎控除48万円+給与所得控除55万円で、2024年分(令和6年分)までの線
123万の壁 給与収入の壁としては無い。ただし合計所得123万円は、親側の特定親族特別控除がゼロになる上限として残っている(給与だけなら197万円) 123万円は令和7年度改正の恒久部分(基礎控除58万円+給与所得控除65万円)の線
160万の壁 2025年分(令和7年分)に本人へ所得税がかからなかった上限。2026年分では178万円 基礎控除95万円+給与所得控除65万円
178万の壁 本人に所得税がかかり始める線(2026・2027年分) 基礎控除104万円+給与所得控除74万円
136万の壁 親の扶養(扶養控除38万円・特定扶養親族63万円)に入っていられる上限 合計所得62万円。19歳以上23歳未満は超えても197万円まで9段階で控除が残る
197万の壁 親側の特定親族特別控除がゼロになる線 合計所得123万円。控除額は63・61・51・41・31・21・11・6・3万円の9段階
163万の壁 勤労学生控除(27万円)が使える上限 合計所得89万円、かつバイト以外の儲けが10万円以下
150万の壁 社会保険の扶養。19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)の年間収入見込みの上限 2025年(令和7年)10月1日以降の認定から。年齢はその年の12月31日現在で判定
130万の壁 社会保険の扶養。18歳以下・23歳以上の年間収入見込みの上限 控除前の収入見込みで保険者が判定する
106万の壁 自分で厚生年金保険・健康保険に入る線。要件に「学生でないこと」があるので昼間の大学生には原則かからない 週20時間以上・所定内賃金が月額8.8万円以上・企業規模51人以上・学生でないこと。賃金月額の要件は2026年10月に撤廃予定

数字の出どころは下の「使っている表(原典)」にすべて書いてあります。

年末調整で親に聞かれたら(2026年12月)

2026年分の年末調整は、例年と形が違います。1〜11月の給与から引かれる所得税は改正前の表のままで、12月の年末調整で1年分をまとめて計算し直して精算すると国税庁が書いています(改正のあらまし p.1・p.2)。親が勤務先から書類を渡されて「あなた、今年いくらだった?」と聞いてくる時期が、ちょうど10〜12月です。制度の中身だけ並べます。

親の勤務先に出る紙は2種類(国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」の凡例の正式名称)。

  • 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」 — 子の合計所得が62万円以下(給与だけなら136万円以下)のとき、扶養親族として書く欄。19歳以上23歳未満なら特定扶養親族で親側の控除は63万円
  • 「給与所得者の特定親族特別控除申告書」 — 子の合計所得が62万円超123万円以下(給与だけなら136万円超197万円以下)のとき、9段階のどの行かと控除額を書く欄

見込み年収の書き方について国税庁が書いていること。Q&AのQ2-4は、特定親族に給与所得があるとき「改正後の給与所得控除額を適用して算出された合計所得金額に応じて、特定親族特別控除額を正しく記載する必要があります」としています。つまり引く給与所得控除は74万円(65万円ではない)。上の計算欄はこの74万円で計算しています。

12月1日という日付の意味。扶養親族等の所得要件の改正が源泉徴収事務に反映されるのは「令和8年12月1日以後に支払う給与等から」ですが、2026年分の所得税そのものには1年を通じて62万円の線が適用されます。Q&AのQ1-2は、12月1日前に年末調整関係書類の提出を受けても「差し支えありません」としています。また改正で新たに扶養の対象になった親族を書くときは、扶養控除等申告書の「異動月日及び事由」欄に「令和8年12月1日 改正」などと記載する、とQ2-1にあります。

12月の締めまでに線を超えそうなとき。Q2-1は、改正で扶養控除等の対象が変わった場合に「異動があった旨を記載した扶養控除等申告書」を給与の支払者に提出すること、年末調整を行う時までに提出があればその申告に基づいて年末調整ができることを示しています。年末調整に間に合わなかった分は確定申告で精算する扱いです(Q1-3)。なお年末調整は「その年最後に給与の支払をする際」に行うものなので、最後の給与が2026年11月30日以前だった人には改正後の控除が年末調整では適用されず、確定申告になります(Q1-3)。

様式の現況(2026年9月16日に国税庁の各種申告書・記載例のページで確認)。9月16日の時点では、令和8年分として置かれていたのは「扶養控除等(異動)申告書」と「源泉徴収簿」だけでした。9月25日に同じページを見ると、令和8年分の「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼特定親族特別控除申告書兼所得金額調整控除申告書」と「保険料控除申告書」が載っています(簡易対応様式は令和9年分の扶養控除等申告書のほう)。

このページは制度の説明と計算の道具までで、どの行を選ぶかは示しません。個別の事情は勤務先の担当者・税務署・税理士へ。

よくある質問

Q. 2026年分、学生のバイトはいくらまで親の扶養に入れますか?

A. 給与だけなら年収136万円以下で扶養親族(合計所得62万円以下)。19歳以上23歳未満は136万円超197万円以下でも親側に特定親族特別控除(63万円から3万円まで9段階)が残ります。出典は国税庁「源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)」p.2と、タックスアンサーNo.1177。

Q. 「103万円の壁」は2026年分(令和8年分)ではどこに動きましたか?

A. 103万円は基礎控除48万円と給与所得控除55万円の合計で、2024年分(令和6年分)までの数字です。2026年分では2つの線に分かれていて、本人に所得税がかかり始めるのが178万円(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)、親の扶養から外れるのが136万円(合計所得62万円)です。2025年分(令和7年分)の「160万円の壁」は基礎控除95万円+給与所得控除65万円でした。

Q. 本人に所得税がかかり始めるのはいくらからですか?

A. 合計所得が基礎控除104万円を超えてから(給与だけなら年収178万円超)。基礎控除104万円は合計所得489万円以下に適用される令和8・9年分の金額です(改正のあらまし p.1)。

Q. 「106万円の壁」は大学生にも関係しますか?

A. 短時間労働者が自分で厚生年金保険・健康保険に入る要件は、週の所定労働時間20時間以上・所定内賃金が月額8.8万円以上(年約106万円)・企業規模51人以上・「学生でないこと」の4つです。学生であることは要件を満たさない側にあたるので、昼間の大学生には原則この線はかかりません(卒業見込証明書を持つ人や定時制など例外あり)。なお賃金月額8.8万円の要件は2026年(令和8年)10月に撤廃予定と日本年金機構が公表しています。

Q. 社会保険の扶養(150万円・130万円)は税とは別ですか?

A. 別の制度です。19歳以上23歳未満(被保険者の配偶者を除く)は年間収入の見込み150万円未満、それ以外は130万円未満が目安で、保険者が控除前の収入見込みで判定します。150万円未満への引上げは2025年(令和7年)10月1日以降の認定からで、年齢はその年の12月31日現在で判定します(日本年金機構・厚生労働省)。

Q. 年末調整で親の勤務先に出す紙は何ですか?

A. 国税庁の「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A(令和8年5月)」の凡例では、扶養控除等申告書は「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、特定親族特別控除の申告書は「給与所得者の特定親族特別控除申告書」です。子の合計所得が62万円以下なら扶養控除等申告書、62万円超123万円以下なら特定親族特別控除申告書で9段階の控除額を書くことになります。

Q. 12月の締めまでにバイト代が136万円を超えそうなときはどうなりますか?

A. 国税庁のQ&A Q2-1は、改正で扶養控除等の対象が変わった場合に「異動があった旨を記載した扶養控除等申告書」を給与の支払者に提出すること、年末調整を行う時までに提出があればその申告に基づいて年末調整ができることを示しています。年末調整に間に合わなかった分は確定申告で精算する扱いです(同Q1-3)。

Q. 仮想通貨の利益がある場合はどう計算しますか?

A. 仮想通貨の利益は雑所得で給与所得控除がないため、合計所得=(バイト年収−74万円、マイナスなら0)+利益 で判定します。このページの計算はその式で行います。

使っている表(原典)

いずれも2026年9月16日に原典を開いて確認しました。

このページで扱っていないこと

  • 住民税(基準が別で自治体ごとに違う。所得税より低い所得から発生する)
  • 特定支出控除・所得金額調整控除・親が所得900万円超の場合の配偶者側の表(表の右側の列)
  • 配偶者の「150万円の壁」(配偶者特別控除が満額になる線。このページは親と子の関係だけを扱う)
  • 仮想通貨の利益の計算そのもの(総平均法・移動平均法の違いはこちら)
  • 「壁を超えるべきか」の判断。このページは行を示すだけで、どうするかは示しません

関連: 仮想通貨の税金まとめ【2026年版】 / 学生の年収の壁は2026年分でまた変わった / 仮想通貨の税金、学生はいくらから? / 計算ツール一覧

更新履歴・訂正

  • 2026-09-25 訂正: 9/16 に「次の改訂で直します」と書いた 2 点を直しました。計算欄は合計所得 336万円超を「基礎控除の行の外」としていたのを 489万円超 に(336万円超489万円以下も基礎控除は104万円)、社会保険の出典表示「2025年4月から」を 2025年(令和7年)10月1日以降の認定から に。あわせて「様式の現況」を 9/25 の国税庁のページに合わせました(令和8年分の基礎控除申告書兼…特定親族特別控除申告書…が公開済み。9/25 の時点で簡易対応様式が載っているのは令和9年分の扶養控除等申告書)。
  • 2026-09-16 原典をすべて開き直して確認。「壁」の語の一覧・年末調整の節・よくある質問を追加。あわせて、確認で見つかった2点を下に書きます(計算そのものは触っていません)。
    • 基礎控除104万円の範囲: このページは「合計所得336万円以下」と書いてきましたが、改正のあらまし p.1 ⑴ の表では合計所得489万円以下が104万円です(336万円は表の区切りのひとつで、104万円のセルは132万円以下・132万円超336万円以下・336万円超489万円以下の3行にまたがっています)。上の計算欄は合計所得336万円を超えると「PDFを直接参照」と出しますが、336万円超489万円以下も基礎控除は104万円です。バイト代だけなら年収475万1,999円までが336万円の側なので、学生の入力で当たることはほぼありませんが、表示は次の改訂で直します
    • 社会保険150万円の開始時期: 上の計算欄の出典表示に「2025年4月から」とありますが、正しくは2025年(令和7年)10月1日以降の被扶養者認定からです(日本年金機構)。こちらも次の改訂で直します
  • 2026-09-08 ページ公開

2026年9月16日時点の公表資料(令和8年度税制改正まで反映)に基づきます。誤りに気づいたらお問い合わせから。訂正はこのページに履歴を残します。詳細は免責事項。