2026年度の最低賃金の発効日を、47都道府県のカレンダーにした
本記事は厚生労働省の公表資料と最低賃金法の条文に基づく一般的な情報の整理であり、個別の労務相談ではありません。個別のご質問にはお答えしていません。ご自身の勤務先の賃金は、勤務先の担当窓口か労働基準監督署にご確認ください。
最低賃金の新しい額は、47都道府県で同じ日に効き始めるわけではありません。厚生労働省が2026年10月14日に掲載していた地域別最低賃金の全国一覧には、令和8年度の額と発効日が県ごとに並び、発効日は10月1日から12月2日までの21通りでした。
10月23日の時点で新しい額が効いているのは32県で、まだ前年度の額のままの県が15県あります。47県の発効日をカレンダーの形に並べ、残る15県の日程を取り出し、過去の年度の発効日とも比べました。額そのものと、年収の線に届く週の時間は、2026年度の最低賃金で、年収130万円に届くのは週に何時間かに書いています。
発効日の一覧
| 発効日 | 県数 | 累計 | 都道府県 | 新しい時給(円) |
|---|---|---|---|---|
| 10月1日(木) | 15 | 15 | 北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川 | 1,092〜1,280 |
| 10月2日(金) | 2 | 17 | 長野・岡山 | 1,104〜1,117 |
| 10月3日(土) | 5 | 22 | 群馬・石川・滋賀・和歌山・鳥取 | 1,090〜1,136 |
| 10月4日(日) | 3 | 25 | 福井・奈良・福岡 | 1,107〜1,114 |
| 10月8日(木) | 1 | 26 | 山口 | 1,101 |
| 10月10日(土) | 1 | 27 | 島根 | 1,092 |
| 10月11日(日) | 1 | 28 | 広島 | 1,141 |
| 10月14日(水) | 1 | 29 | 秋田 | 1,090 |
| 10月15日(木) | 1 | 30 | 静岡 | 1,154 |
| 10月16日(金) | 1 | 31 | 福島 | 1,094 |
| 10月18日(日) | 1 | 32 | 茨城 | 1,136 |
| 10月24日(土) | 1 | 33 | 宮崎 | 1,085 |
| 10月25日(日) | 1 | 34 | 鹿児島 | 1,090 |
| 10月29日(木) | 2 | 36 | 青森・高知 | 1,086〜1,090 |
| 10月30日(金) | 1 | 37 | 山形 | 1,092 |
| 11月1日(日) | 4 | 41 | 山梨・徳島・愛媛・大分 | 1,093〜1,113 |
| 11月2日(月) | 1 | 42 | 長崎 | 1,087 |
| 11月15日(日) | 1 | 43 | 佐賀 | 1,095 |
| 11月16日(月) | 1 | 44 | 京都 | 1,180 |
| 12月1日(火) | 2 | 46 | 岩手・熊本 | 1,090〜1,092 |
| 12月2日(水) | 1 | 47 | 沖縄 | 1,086 |
同じ発効日の県は1行にまとめ、時給の列にはその日に効く県の新しい額の幅を入れました。10月1日に効くのは15県で、47県の約3割(31.9%)。10月中に効くのは37県、11月に入ってから効くのが10県で、そのうち12月に入ってからが岩手・熊本・沖縄の3県です。10月2日(金)から4日(日)に10県が集まり、そのあとは日付が1県ずつにばらけています。
10月23日の時点で、まだ前年度の額の15県
宮崎県が10月24日(土)、鹿児島県が25日(日)で、週末から新しい額になります。10月29日(木)の青森・高知、30日(金)の山形、11月1日(日)の山梨・徳島・愛媛・大分、2日(月)の長崎までが、10日以内に入る県です。引上げ額は、長崎の56円から佐賀の65円までの幅でした。
| 都道府県 | 発効日 | 10月23日から | 前年度の額 | 新しい額 | 引上げ額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 宮崎 | 10月24日(土) | 1日後 | 1,023円 | 1,085円 | 62円 |
| 鹿児島 | 10月25日(日) | 2日後 | 1,026円 | 1,090円 | 64円 |
| 高知 | 10月29日(木) | 6日後 | 1,023円 | 1,086円 | 63円 |
| 青森 | 10月29日(木) | 6日後 | 1,029円 | 1,090円 | 61円 |
| 山形 | 10月30日(金) | 7日後 | 1,032円 | 1,092円 | 60円 |
| 山梨 | 11月1日(日) | 9日後 | 1,052円 | 1,113円 | 61円 |
| 大分 | 11月1日(日) | 9日後 | 1,035円 | 1,096円 | 61円 |
| 愛媛 | 11月1日(日) | 9日後 | 1,033円 | 1,093円 | 60円 |
| 徳島 | 11月1日(日) | 9日後 | 1,046円 | 1,103円 | 57円 |
| 長崎 | 11月2日(月) | 10日後 | 1,031円 | 1,087円 | 56円 |
| 佐賀 | 11月15日(日) | 23日後 | 1,030円 | 1,095円 | 65円 |
| 京都 | 11月16日(月) | 24日後 | 1,122円 | 1,180円 | 58円 |
| 岩手 | 12月1日(火) | 39日後 | 1,031円 | 1,090円 | 59円 |
| 熊本 | 12月1日(火) | 39日後 | 1,034円 | 1,092円 | 58円 |
| 沖縄 | 12月2日(水) | 40日後 | 1,023円 | 1,086円 | 63円 |
令和7年度までの発効日との比較
厚生労働省は、平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金の改定状況をExcelの表にして公開していて、年度ごとの各県の発効日が入っています。令和3年度から8年度の6年度分を、県数で数え直しました。
| 年度 | 10月1日に発効 | 10月7日まで | 11月1日以降 | 12月1日以降 | 遅い側の端の発効日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 令和3年度(2021) | 31県 | 46県 | 0県 | 0県 | 2021年10月8日 |
| 令和4年度(2022) | 22県 | 38県 | 0県 | 0県 | 2022年10月20日 |
| 令和5年度(2023) | 29県 | 40県 | 0県 | 0県 | 2023年10月14日 |
| 令和6年度(2024) | 25県 | 38県 | 1県 | 0県 | 2024年11月1日 |
| 令和7年度(2025) | 1県 | 11県 | 27県 | 14県 | 2026年3月31日 |
| 令和8年度(2026) | 15県 | 25県 | 10県 | 3県 | 2026年12月2日 |
令和3年度から6年度は、10月7日までに38県から46県が効き始め、11月以降の県は多くて1県でした。令和7年度は、10月1日に効いたのが栃木県の1県だけ。10月中に効いたのは20県、11月が13県、12月が8県で、残りの6県は2026年に入ってから効いています。令和8年度は、10月1日の県が15県に増え、11月以降の県は10県です。
令和2年度は、北海道・東京・静岡・京都・大阪・広島・山口の7県が前年度の額のままで、表の発効日が2019年のものなので、比べる年度に入れていません。令和3年度から8年度は、47県すべてがその年度に額を改めています。県数は、厚生労働省の表の発効日を日付ごとに数えた値。
令和7年度に年をまたいだ6県の令和8年度の発効日を並べました。
| 都道府県 | 令和7年度の発効日 | 令和8年度の発効日 |
|---|---|---|
| 福島 | 2026年1月1日 | 10月16日 |
| 徳島 | 2026年1月1日 | 11月1日 |
| 熊本 | 2026年1月1日 | 12月1日 |
| 大分 | 2026年1月1日 | 11月1日 |
| 群馬 | 2026年3月1日 | 10月3日 |
| 秋田 | 2026年3月31日 | 10月14日 |
6県とも令和8年度は10月3日から12月1日の間に収まりました。同じ県で、10月1日から数えた日数が令和7年度より短くなったのは43県、同じなのは栃木と岩手の2県、長くなったのは茨城と沖縄の2県です。
平成14年度から令和8年度までの25年度分の表で、発効日が翌年にずれ込んだのは、令和7年度の6県だけです。令和6年度までの表で遅い側の端にあたるのは、平成23年度の11月11日でした。
発効日の決まり方
最低賃金法14条2項は、地域別最低賃金の改正の効力が生じる日を、公示の日から起算して30日を経過した日と定めています。その日より後の日で、決定の中に別に定める日があるときは、その日から効力が生じます。審議会の意見の要旨が公示されると、公示から15日以内に異議を申し出ることができ、公示の日から15日が過ぎるまでは決定が行われません(11条)。
9月3日に公表された答申状況の別紙には、発効日は異議の申出の状況などで変わる可能性があるという注記がありました。10月14日の全国一覧にその注記はなく、47県の額も発効日も、答申状況の表と同じでした。県ごとに日が違う理由は、厚生労働省の一覧には書かれていません。
発効日の前後で変わること
新しい額は発効日から効力が生じるので、発効日より前の日に働いた分の基準は、前年度の額のままです。使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に、最低賃金額以上の賃金を支払う義務があります(4条1項)。最低賃金額に達しない賃金を定めた労働契約は、その部分が無効になり、最低賃金と同様の定めをしたものとみなされます(同条2項)。地域別最低賃金に違反した使用者には、50万円以下の罰金の定めがあります(40条)。
派遣で働く場合は、派遣先の事業場の所在地を含む地域の額で、4条が適用されます(13条)。
この記事の範囲
扱ったのは地域別最低賃金だけで、産業ごとの特定最低賃金は別に決まります(15条・16条)。どの手当が最低賃金の計算に入るかも、4条3項と省令の話なので、ここでは触れていません。発効日は2026年10月14日に開いた全国一覧の日付です。その後に変わっていれば、厚生労働省の一覧が先になります。
出典(いずれも2026年10月14日確認)
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」(令和8年度の額と発効日・全国一覧PDF) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html PDF https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001753404.pdf
厚生労働省「平成14年度から令和8年度までの地域別最低賃金改定状況」(年度別・県別の改定額と発効年月日) https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001756130.xlsx
厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金答申状況」(2026年9月3日・発効日の注記) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75950.html 別紙PDF https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/001745621.pdf
最低賃金法(昭和34年法律第137号)4条・11条・13条・14条・40条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000137
本記事は2026年10月14日時点の公表情報に基づきます。労働条件の相談は、勤務先の担当窓口か労働基準監督署へ。詳細は免責事項をご覧ください。